抒情小曲集
高塚謙太郎
(No4)
キラーパスを受けて雨のなか水門に向かって息きらし
切れたほどの「水門」前夜は雪のかなたの
川のように思えなかったから全身ずぶ濡れになってまで息をし
岸辺の途絶に
今の夕べが
目撃に艶めいて声が舞い拾われるほとほとと「岸辺」の
子どものドジをみている
野の原が
霙の左側を過ぎると右は下流の余命
「キラーパス」の息ほどの丘をめざしていた
開門の諸刃を走りぬけ遣り水
上腕をかかえ迎え
「岸辺」の向かいの雪のさらさらと
その「途絶」のさき角を曲がると詠嘆しかなかった
なだらかな消えゆく草々つらなる「水門」によどんでいるふりして夕べ
そうだった夕べのまちぶせから一冬ほどのかなたにひるがえる
はなはだしい「野の原」に顔をうずめ声に耳を澄ましつつ
捩れる「岸辺」の「ほとほと」と差し向かい
ゆっくりと静かに開門してゆく刃をつたい堰きって
(ひとりころしてスペースが生まれ)
水門は今朝も濡れている









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