擬態社会だからだ。
擬態をとったまま、擬態が解除不能になり、死ぬ場合がある。
または、擬態の維持自体が目的化したために、支障を来す場合もある。
擬態を剥ぎ取れ。
いま、この場で。
内言が身体から漏れ出ている人たち。
不満と、愚痴と、退屈と、孤独が、
ぱんぱんになった膿がはじけるようにして、
体の外に湧き出ている。
見えないのだろうか?
その膿のにおいを嗅いで、
多くの体のない人たちがやってきている。
どこからやってくるのだろう?
体のない人たちは、狡い。
自分たちに体がないことを、
うまく活用しながら、どんな場所にでもねじ込んでくるくせに、
そのことを指摘すると、
あたかもそんなことはないかのように、
「体のない人間なんかいるものか、お前はおかしいんだ。」
と、言いつのる。
内言が身体から漏れ出ている人たち。
不満と、愚痴と、退屈と、孤独が、
ぱんぱんになった膿がはじけるようにして、
体の外に湧き出ている。
見えないのだろうか?
その膿のにおいを嗅いで、
多くの体のない人たちがやってきている。
迷彩服の模様を最初に開発したのは、ナチスの科学者です。
第二次大戦後、アメリカがその技術理論を継承し、
自国の軍隊の制服に採用しました。
ベトナム戦争で効果が確認されたことから、
世界中の軍隊で採用されるようになりました。
迷彩服の記号効果は、とても不思議な逆説を生みます。
記号効果が発揮されたとき、迷彩服の柄は視認されません。
つまり、記号の意味が認識されたとき、
その記号の存在は認識されないのです。
通信の成功が発信者を不在にするのです。
膿を出しているでしょ?
だしてませんよ。だしてません。
膿が出てるから拭いた方がいいよ。
膿なんか出てないったら。あんたなに言ってんの?
頭おかしいんじゃないの?
あなた体がない人でしょ?
体がない人なんかいないでしょ?
世の中に体がない人がいるなんて信じているのはあなただけだよ。
あなた、しゅうきょうでもやってるの?
でなきゃ、頭おかしいんじゃないの?
自分しか大事じゃなくなっているのに、
自分の内言で自分をずたぼろにしているのに、
自分や家族のことを軽蔑しきっているのに、
自分のことがまだすてられないでいる。
すてっちまいな。
ほら、その握りしめているものをすてっちまいなよ。
ないない。
ないないしようね。
未来が降ってくる。
未来が世界を濡らす。
未来を、供養する。
未来は、私たちの祈りによって、
浮かび。
宙に浮かび上がる。
炸裂し、飛び散る未来の飛沫。
柱状に林立する。
垂れ込める未来。
未来が、気圏の一点を食い破り、
惑星の重力を振り切って、ラグランジュポイントに雪崩れこむ。
未来が、球体の微小惑星として、
虚空の一点を占めるようになった。
あー、よかった。
よかったね。
サンダンス。
サンダンス、胸に刃きらめいて。
身をすてて、
自分をすてて、
踊る。
ぶっちぎれる肉のひとひら。
ほら、これをやるからさ。
そっちのぼろぼろなのは、
ないないしようね。
痙攣する人間の側で繭を紡いでいる太い芋虫。
複眼が全てみっしりと集まった人間の指になっている。
その指先が全て虚空に文字を書き付け微笑している。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
通信の成功が不在にするのです。
警戒しろ、警戒しろ。
お前たちの安全は保障されているか?
お前達の擬態の安全は保障されているのか?
安保、踊れ。安保。サンダンス。 三十三
及川俊哉
及川 俊哉(おいかわ しゅんや)
1975年岩手県生まれ。現在は福島県在住。
2005年、12月23日、は東京駅「銀の鈴」前で突如として「ウルトラ」2代目編集長に任命され、現在に至る。
2009年 詩集『ハワイアン弁財天』(思潮社)発表。









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[...] This post was mentioned on Twitter by ルーコ, M31. M31 said: 六本木詩人会に詩を掲載していただきました(^0^)よかったら読んでね。どぞどぞ。「安保、踊れ。安保。サンダンス。 三十三」ht [...]
軍人の性を考えてしまいました・・・
「三十一地の声を聴く」読売新聞の記事、読みました!
切りぬいてノートに挟んであります。
分かりやすい書き方で好感がもてました。
最後の一連「心の声は聞かない」が決まっています。
余韻として響き渡ります。
PS軍人は「破壊の生産」なのですね・・・
感想ありがとうございます。
新聞ということでわかりやすくなるようにがんばりました。
次の「現代詩手帖」にも作品が掲載されますのでよろしくお願いします(^^)