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FULL LENGTHトーシンダイ

水無田気流


超えをだせ、といわれたので
がんばってみました

 ここでは、
 あるいているとあなにおちるので
 さんだんとび ぷらす わーぷ
 がへーきんてき 
 などーさになります
 ぼくたちは
 はしっているだけでは
 しょーきょされるので
 とびつづけな、け、ればなりません

ところで
教官装置センセーのばしょから
わいているのはなんの
因果定数ムクイでしょうか?

請えをだせ、といわれたので
だしてみました
「いらっしゃいませ」
まちがえました

「りょうてをあたまのうえでくんでひざまづけ」
でした

 よびかけるとひとは
 とまることもありますが
 とまらないこともおおく
 いえ
 たいていは
 とまらず
 きこえず
 かんしんをもちません

そのばあい
精神部品キット掃射さーちせよ、
太陽教書ソーラー・ブックにしるしてあります

掃射さーちせよ、
掃射さーちせよ、
掃射さーちせよ。

 ぼくたちは
 全領域(せかい掃射さーちしてまわらねばならないのですが
 標的もくひょーはこんまさんびょう ごとにいれかわるので
 つねにせつぞくされた精神部品キットがひつじゅひん

 
です

超えにだして
文字をよみます
ここにあらわれました
いどうするいせきです

 「ワタシノイノチニアナタハシハラエ」
 どうやらたんなるせーきゅーしょという
 ものだったらしいです
 「フレンゾクナタチイキキョジュウヲカイショウセヨ」
 どうやらたんなるつーこくしょという
 ものだったらしいです
 「アナタノイタミヲコウテイシマスシネ」
 これはなんでしょうか
 かいこつーちというものらしいと
 精神部品キットがかいせきしています

ところで
教官装置センセーのばしょから
わいているのはなんの
人称代名詞ヒトカゲでしょうか?




初出『現代詩手帖』2009年8月号、連載詩「FULL L(ふるえる)」より





水無田 気流(みなした きりう)
1970、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
現在、東京工業大学世界文明センター・フェロー。
2006年、第1詩集『音速平和』(2005年、思潮社)で第11回中原中也賞受賞。
2008年、第2詩集『Z境』(2008年、思潮社)で第49回晩翠賞受賞。
評論に『黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望』(2008年、光文社新書)。
URL:http://blue.sakura.ne.jp/~intermezzo

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1 コメント “FULL LENGTH”

  1. 評者 より:

     ひらがなの多用が幼稚な感じがしなかった。感想は非常に物質的な感想を強く持ちましたが、これから末永く付き合って行きたい作品だと思いました。

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