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春²

川島清




   四種類の枠から入る光と風景



ときどきデザイン化されたツァラーツーストラや
色がバラバラになった人間も枠を乗り越えてくるけれども
赤と青が独立した彼と話をするとき
人という「流線形の容器」に詰まる砂が
時計のように崩れてしまい
そこにあいた穴に耳を押し当てる
すると
耳のおくから虹が生まれ鼻のなかを彩り
網膜にある 逆さの<窓の空>へ架かる
  四種類の窓が煮える




   チョムスキーを読みながら



トウモロコシの黄色の生き方をまねていたら
白い狼たちが牙をいていたので

波うっている緑から搾られて
顔中花粉だらけの蝶が
「金の実」のように落ちてくる姿は

ボクに映っている

いま



〝初め〟が歩いている



川島 清(かわしま きよし)
2003年、詩編「受胎調節の横木」を思潮社より発刊。同年、詩人100人に選ばれる。
和合亮一氏と知己を得て、「ウルトラ」に参加。「ウルトラ」同人となる。
2004年まで群馬を拠点に予備校講師・短大講師を兼務。
2005年より四ッ谷学院・青文塾に絞り、主に東京にて勤務。
著作には他に、大学受験参考書「ルネッサンス現代文」、絵本「みつばち」がある。
明年、次詩編発刊の予定。

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1 コメント “春²”

  1. arai より:

    本来、語りえないものを既存の言葉で述べてみても、新たなものは見えてこない。彼は心の動きを述べるのに当たり前の言葉を躊躇なくはぎ取って、春の言葉くっつけた。チョムスキーの内容まで、トウモロコシの実の羅列としてしまった。オオカミの吠える声に恐怖することもあるし、高きに登った蝶が墜落することもある。春、春、春である。色彩豊かな春の心象風景が,珠に映っている。これはいい。

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