光が幾筋にも折れて
森の揺曳を司る
風の飛行を
鳥族だけが待っていた
放たれればいつかは堕ちる
それが怖ければ留まるべきなのだ
時は生あるものすべての中にあり
外在するものではない
物憂げに石が囁く
様々な無念と祈りを呑み込んで
石は大抵眠っていた
その石を
墓石と呼ぶことを知らない子供が
空を遊んでいる
千切れ雲さえ浮かんでいない
突き抜けるような空を
静かに瞳で遊んでいる
春はまだ青く
空の先に凍っていた
(「交野が原」68号より)
定点
渡辺めぐみ
渡辺 めぐみ(わたなべ めぐみ)
東京生まれ。
第一詩集『ベイ・アン』(二〇〇一年、土曜美術社出版販売)収録の一篇で第十一回詩と思想新人賞受賞。
第二詩集『光の果て』(二〇〇六年、思潮社)で萩原朔太郎生誕一二〇年記念・前橋文学館賞受賞。
第三詩集『内在地』(2010年、思潮社)で第21回日本詩人クラブ新人賞受賞。
今年度より世田谷文学賞選考委員。















