さささささささささささ皿ををををををををををををを
つつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつく
たた太平洋が氾濫を止めないのだだ私の頭に半月と満月
とが浮かびのののしり合うとさサヨリの群れが来るので
まだ来ないのか四月つつつつつつつつつつつつつつつそ
そそそそそそそそそそして燃える日野川がカ髪の間を流
れるル私の胸ん中に伊勢湾と忌まわしいコウナゴが飛び
込んで来るハ反語もさらにト飛び込んで来るユ許したま
ええホタルイカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
しししししししシ食卓に多摩川がやって来たたククジラ
とハラココがやって来るル食卓に北上川がやって来たら
マダコがやって来たア後は洪水だだ醤油のビンを倒すし
かないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
さ 杯にアンコウの影
鉛筆にサンマの霊
旅客機にニジ
マスの髪
狼の頭脳にハマチの舌たたたたたたたたたたた
記憶にメバルの記憶 が
いて 跳ねている
跳躍する電信柱
鮮血のような夕焼けが赤々と真実に沈
んでゆく
悠々とカスピ海が横切ったりする
マコガレイよ
ほら 落花生が口を開く時間に黄金のクレーンが
銀紙
を運び続けているから
黄河に誤訳されるのだ
いただきますキキキキキキキキキキキ
キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ
キキキキキキキキキキキキキキキキビナゴよ ひょおと
燃える矢が飛び込んでくる 凍った虫が
飛び込んでくる
窓を閉めると 正常な蛾は窓を
持っていく だからきみ
の精神はいまでも娼婦なのだ
タラバガニよ
きみに口づけす
れば 世界中の錆びた蝶番が華麗に
外れて おれたちの
神経を開けっ放しにする おまえ
と私の背中に反乱する
スエズ運河
虹と虻とが飛び込んでくる
嗚呼
食欲の大河だ
生きるとは新しい肝臓だ
後悔に金魚がや
ってくる
成すべきこととは何か イ胃袋が電柱に詰問す
る夕食
お椀の底で消えるトビウオをどうすれば良いのか
燃えあがる官製ハガキを読まずに内側の日本海を
枯らそ
うとししししししししししししししししししししししし
灼熱の国原から
足を磨り減らして紫色の食用犬が駆
け寄ると や
ヤドカリが家出
横断歩道と陸橋を無数の軍手が
行進しているので
シャコと マサバと カタクチイワ
と
コノシロをいただきます わわわ
私の静脈とは間違った四万十
川であった
心の中で樹氷と地球とが倒れ
燃えあがるスジ
コをどうすれば良いのか
押し黙ったままままままままま
地獄谷から
目をつむって歩いてくるハマグリ
世界の果てを考えあぐねている
いただきます
私は足首をぶつりと切る 私の首も
私の体
をきれいに箸で裂いて
私の背骨を取り出してみると
アン
デス山脈が爆発するのが分かる
小骨を拾うと仙石原のス
スキが大移動している
私の骨の間の身をせせると
南極の
氷山が崩れ出して塊が氷海になだれ込む
私の目玉の周
りの肉をつつき出すと
サボテンばかりの平原でペダル
のない自転車が横転中
目玉だけ取り出す
覗いてみると
私の目玉
アムステルダムに霧雨
私を捨てるしかない
たく
さんの私に眩暈するしかあるまい
ハタハタの卵
プレヤ
デス星団に稲妻
私は私を噛みしめる
さらに目を見詰める
出
来上がったばかりの星の浜辺に新しい波
マママママママママママママママママダイ
ママママママママママママママママママママアジ
フフフフフフフフフフフフフフフフフググググググググ
カツオ
ウウウウニ
シシシシシシャコ
サササササササササザエ
ワワワワワワワワワワワワカサギ
ニニニニニニニニニニニニニニニニシン
すすすすすすすすすすすすすすすすすすスズキ
ドドドドドドドドどどどどどドドドドドドドドドジョウ
カマス
アアアアユ
トトトトトトコブシ
ククククククククククジラ
ははははははははははははハモ
いいいいいいいいいいいいいい岩牡蠣
魚介類の私はここ
こここここここここここここここうして食べ尽くされる
さささささささささささ皿ををををををををををををを
つつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつく
詩集「黄金少年」より
ぼ某月某日
和合亮一
和合 亮一(わごう りょういち)
1968年生まれ。
第1詩集「AFTER」で第4回中原中也賞(1999年)、第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞を受賞(2006年)。
読売新聞・日経新聞(夕刊)・ディズニーファミリーサイト等に連載中。















