言語手術を終えたゆうぐれ食卓が楽譜のようでぼくは泣き出す
加藤 治郎(「ハレアカラ」)
このうたを、はじめてみた時、わたしの頭の中で音楽が鳴っていました。それは、レディオヘッドの「KID A」というアルバムで、このうたと、ぴったりでした。
このうたは、あれをうたっているんじゃないのかな、と思いました。
青い。
あの。
気のふれそうな。止まりそうな。
おさえた中、それでもあふれてくるような そしてもう、それも通りこえたような。
生きていたら、ごくたまにぶつかる、あれ。
このうたの僕は、世界からへだてられているようです。
僕は、ふつうの食卓の会話や物音が、「楽譜のように」きこえます。
そんな僕は、あたりまえのことが、実はそうではないということ。
その事実に、ある日突然 気がついてしまった子供のようです。ひとりきりの、かなしいこども。このうたは、ぎりぎりのところにふれてきます。だから すきです。
(初出 2004年「短歌四季」加藤治郎特集より)
















読みました。加藤治郎短歌を読むきっかけになる様な気がします。