金色になり過ぎてマスオは死んだ
タラちゃんは泣き真似したままブランコに乗り放題だ
ワカメちゃんは買い物に出かけたまま
スポーツカーはどこかの谷間で捻挫した
入道雲に湿布を施した
太陽は落第したまま卒業だ
こんな日の過ごし方は
どうすれば良いものか検討もつかぬ
ただ少し
頬杖ついて往来を見ると
いつもの風景が双子を一人ぼっちにしています
転がり遊ぶ
鞠そのものだけが新しければ良いのです
金塊かカツオかが
深爪か反逆
鎖国は 日本に乗っ取られてしまったから
ヤママユガは消えた また朝だ
難しい複雑な午後
金塊かカツオかが
謹慎
反省文は
どんどんと鉄になる
頭脳から立ち去らない茶の間がある
鳥は飛ばない 鹿の角は輝かない
樹々の細かな枝は少しも揺れない
沈静したままで金色になっているだけ
なのです
あまりの空気の清々しさに敗北してしまう
この茶の間に金属の
家族が棲んでいるので私たちは名前を忘れている
この家庭から与えられたのに
私たちは愛を
ゴールデンな
フネに甘えようとすると途端に
茶の間が私たちを追いかけてくる
あろうことか私は ただなかへと逃亡する
茶の間の奥も茶の間
金色の結末
震えるしかない
あなたの頭で輝き続ける黄金の産道
だけが確かだ
ああ そうだった
私たちはまだ産まれていない
長髪の
波平
が
誕生している
産まれたばかりだ
もはや若い
新聞はまだ読めない
社説を三十年も切り貼りしている
おいお茶
お台所で
煮えている
重油か軽油か
詩集「黄金少年」より
ゴールデンファミリー
和合亮一
和合 亮一(わごう りょういち)
1968年生まれ。
第1詩集「AFTER」で第4回中原中也賞(1999年)、第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞を受賞(2006年)。
読売新聞・日経新聞(夕刊)・ディズニーファミリーサイト等に連載中。









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