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ひとひらの想い

竹浪明


ひとひらの想いが舞い降りて
水溜りに新しい木が揺れる。
小さな波紋を返し
鳥は喉を潤すと
葉や枝や幹の響きと歌い交わす。
俯いていた目が合唱に誘われる。
波紋は水溜りの外へ広がった。

ひとひらの想いが舞い上がり
晴れた空に懐かしい島が浮かぶ。
透き通る砂紋を描き
波は渚を洗うと
貝や泡や星の余韻とこだまし合う。
曇っていた目が幻に磨かれる。
砂紋は胸の内へ浸み込んだ。

ひとひらの想いに想いを重ね
カレンダーの余白が埋まる。
見えない光の紋をなぞり倦み
ひとひらの想いは剥がれると
揺られていた電車の窓に貼りついた。
流れゆく景色の染みが
すれ違う電車にさらわれた。


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竹浪 明 (たけなみ あきら)
http://takenamiakira.jp
映像作家・文筆家・東京造形大学映画専攻非常勤講師。
「蘭賞」(俳句)、「平間至写真賞優秀賞」「文芸社ビジュアルアート社長賞」他受賞。
俳句×写真集『恐竜×ヴィーナス=17文字』(文芸社)、 写真集『象と大樹と子供たち』(角川学芸出版・収録写真によるTシャツが「赤十字グッズ」に)他。
監督映画『のら暦*ねこ休みネコ遊ビ*』(UPLINK)他。

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