六本木詩人会 六本木詩人会 ホテルアイビス六本木

無限飛行

竹浪明


どこまでも連なる蒼い丘を
十字の影が音もなく
波打ちながら滑ってゆく。
―風はすっかり止んでいた。
細い翼は降下も上昇も
加速も減速もしないまま
蒼いうねりを越えてゆく。

蒼い丘の波の向こうから
灯台が現れる。
その数は続々増えて
光を放射しながら踊り回る。
親しい灯りを見つけられず
灯台の森にさ迷えば
光の嵐に翻弄される。

何をすることもなく
登った丘に寝そべり
瞼を過る鳥の影を見送った。
両手を広げ
丘の上の影になり
空と共に流れ始めた。
空そのものが蒼い翼だった。

どこまでも連なる蒼い丘を
十字の影はなお越え続ける。
読み切れない知識の光
忘れられない光景が明滅する。
役目を終えた灯台の灯火は
やがて蛍となり
別の空のもとへ飛び移る。



竹浪 明 (たけなみ あきら)
http://takenamiakira.jp
映像作家・文筆家・東京造形大学映画専攻非常勤講師。
「蘭賞」(俳句)、「平間至写真賞優秀賞」「文芸社ビジュアルアート社長賞」他受賞。
俳句×写真集『恐竜×ヴィーナス=17文字』(文芸社)、 写真集『象と大樹と子供たち』(角川学芸出版・収録写真によるTシャツが「赤十字グッズ」に)他。
監督映画『のら暦*ねこ休みネコ遊ビ*』(UPLINK)他。

1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (11 票5.00)
Loading ... Loading ...

ぜひコメントを残してください


  • 他のおすすめ


  •  
    六本木詩人会