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ハポン絹莢

高塚謙太郎

焦土の梁に立つ、絹莢追分
。て、Yマール、の地帯へ
末広がりの、ゼロ・日章旗
匂い立つ、精粋

日本人の気持ちになりたい。上着の袖口から出ているもの、それ自体で撫でる、そして気持ち、に麗しき日本人の。日本人の袖口から出ている気持ちの、それ自体で濡れる、そしてぬめる上着、に麗しき日本。あ、依依。

奉戴
入る人等
ハポン絹莢

遺漏そしてカバンを買いにいこう、まわりくどいひとからげ、いっぱいつめこんで。影ふみにあつまる、首まで悪辣、小遣いもっておまえと、そこの黒い髪の、辣腕ハポン絹莢。

ステージ上の。ハポン絹莢。我々は運慶神経の、袖に控え、捲り上げ、剥き出しの、奈落へ入れて、擦れて、ビートルズ来日で失われた、ゲートル抗日で、快慶重刑の、袖を引かれ、たくし上げられ、露われ始めた、自体の気持ち。ハポン絹莢。堀は埋められて、は掘られ。睡蓮は満ちる陣は尽きる。閉幕。

完投、果て一途
死してしとめ
溢れる土のしとね
初夏からの匂い
プレイ。ボール。
売り子の売りものスタンドプレイ
穴に入れればいいんですよ。
ハポン絹莢

雑居の床屋のまぬるい猫、発条仕掛けの発情じみた鳴声に目覚め。ハポン絹莢。が前髪を切り揃えていく、日本の前髪越しの眉に、沿う、ハイブリットな、寝相の、初恋に震えてしまい、整髪の後の滴に湿る耳朶、通い路、それでは日本へ。出雲のように釣り銭、勘定違えて、目配せて、店を出る。よおこそお。ハポン絹莢。の声が後から。乗っかかり。揺れ。そしられ。

マキシマム。ザ・胡乱の世の、後朝の、待てども返らぬ痴れ事、乱れ髪から霜降りの声まわりに。すなわち長虫の跡がそのまま帰路と重なる、物語りささ細めきじみた破茶碗で干す、ときに日本艶めいて。ハポン絹莢。身を。凝らしゼットン模型台、重臣の、逃げる、夏の虫、それが長虫。な汝がMUJI、座敷の虫。日本の夏。の息。逆立ちのまぬけ。やや、虫忌。

焦土のそこここの穴ぼこ
入り、出ない。
出ない、入る。
背理、ゼロ・日章旗
まんがん、グランドフィナーレ
ハポン絹莢。ケ。


(初出「tab」19号 09.11.15)

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高塚 謙太郎(たかつか けんたろう)

1974年、ブラジル・サンパウロ生まれ
大阪在住
「詩学」「現代詩手帖」「ユリイカ」投稿欄を経て現在にいたる

第1詩集『さよならニッポン』(思潮社)
詩誌「ウルトラ」同人
ネット詩誌「四囲(she)」同人
個人詩誌「厩」主宰


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