はだかんぼで、ぽつーん。
えっ
ええっ?
えーっ
え!
えっ
ええっ?
えーぇっ
え!
えっえっ?
ええっ?
えーっ
え!
機械を組み立てるようにして、わたしは生まれたっ!
昆虫の交尾ばかりを並べ連ねた図鑑を眺め、
感情なくむつみ合う彼らの魂に同期していた。
感情の伴わない愛情。
昆虫の交尾に似た料理に舌を焼いて、
熱い料理を舌に乗せることは、性器をほおばることに似ている。
男達は昆虫に似て
昆虫ではないから性行為に感情を交えることができない。
それは彼らが性行為を「処理」と呼ぶことにだらしなく表れている)
男達を油断させているものは彼らの「無知」だ)
彼らはとにかく何も知らないのだ)
「お前達は何も知らない」と言ってやるがいい)
男達に致命傷を!)
海の上に浮かんでいた雲が消えた。
海岸にあった都市が消えた。
私からネジがはずれ、奈落に落ちていく。
私から魚が剥がれ、剥落し、落ちていく。
昆虫の巣穴を突き崩したつもりで都市を眺めてみるがいい。
紅葉に雪(´・ω・`)
走り出す(≧ε≦)
彼方より到来する、翼の影が(*^_^*)
視界をみるみる覆っていく( ̄~ ̄)
錆びた鳥が歯車の向こう(–メ)
意識の中で羽ばたく(o^-^o)
まだ通信はこない…(^^;)
蛹たちは羽化するだろう。
わたしたちは足掻いても足掻いても深まれないよう。
あなたが夢によく出てきます。
あなたが意味の無いことでわたしを叱るのです。
わたしは泣き泣き家に帰りますが、
家にはあなたの電話がかかってきており、
あなたがわたしの母をこっぴどく叱りつけているのです。
わたしには逃げ場がありません。
意識し続けることによって意識から逃げ出すことができないように逃げ場がないのです。
ええっ?
えーぇっ
え!
布をかぶって祈る者がある。
「電流は絶縁体に遮られ電流の仕事を為す。」
「生は生より出でて再び生に返るなり」
「汝に生ある故を以て生は永遠なりというべし。
なんとなれば生の生たる所以を知るは、
汝自身に生あるがゆえなり。」
ええっ?
えーっ
え!
「生はいづくに有りや、
心火にありや、
なづきにありや。
それ生は身体のうちにありといえども身体のうちにはあらずして」
「身体の外にも有らず。
生はいづくに有るや、知らず。
これ生の永遠なる所以なり」
夕日のきらめく羊水の中で。
私たち、許しあっている。
魂がピクルスになっちゃわない?って笑うから、
美味しくなるんならピクルスでもいいんじゃない?って、私も笑った。
甘い甘いピクルス。
虹色の泡が次から次と浮かんで消えていく。
誰も、誰も、虹の泡を助けてやらなかったのに、
泡は、私たちを信用してくれている。
なにゆつてんの?
やばくね?
まぢ、やばくね?
氷の中の工事。
溶き卵色のケガ。
電流が流れているからなにゆつてんの?まじやばくね?
君たちは。
わたしは何を言っているのだろう。
わたしが死ぬとき、
菌類はますます輝く。
わたしはわたしに開かれていた視界の地平が、
扇を閉じるように閉じていくのを見るだろう。
わたしはわたしが死ぬときは、
わたしが死ぬのだとばかり思っていたが、
実際はわたしからわたしに関わっていた世界が剥離し死んでいくのだと知る。
えっ
ええっ?
えーっ
え!
とどめようなく。
えっ
ええっ?
わたしから世界が失われていく。
それはわたしが死ぬことに慣れていないことによって観察され得る光景だ。
わたしから剥がれ落ちていく世界のかけらひとつひとつに、
わたしは「大好きだったよ!いまでも大好きだよ!」
と叫ぶだろう叫ぶことができればだが。
もちろんわたしはわたしの死が菌類の輝きに過ぎないことを知っているし、
それら菌類の輝きを描き出すことがいわゆる現代詩人の仕事だということは知っているつもりだけれども。
ふう、ふくしまだいいちだいにげんしりよくはつでんしよをつくるときにたくさんのこうじのおじさんがにほんぢゆうからあつまつてきたんだお。そのころはおじさんたちはもうかつていたからうまいことはなしをしていえをたてさせたりおかねをむしりとろうとするひともたくさんいたんだお。ながいながいろーんをくませて。げんしりよくはつでんしよができてしまつたらそういうおじさんはおはらいばこだからそういうおじさんたちはみかけはりつぱないえにすんでいるけどしやつきんだらけでしごとはなくて、いえはりつぱだからせいかつほごもうけられないお。おくさんとりこんしておさけをのんでこどもをなぐるから、こどもはぐれてみんなふりようになつちやうんだお。
痛みがあなたです
痛みがあなたではない痛みがあなたです
痛みがあなたではないが痛みがあなたです
痛みがあなたではない痛みあなたです
あなたは痛みではないが呪文のように唱え続けることで言葉は実際の力を持つようになる。
「無理、無理」
痛みに似た言葉を凍らせることで何を砕こうとしているのか?
自分を許せない親が、
自分を許せない教師に、
自分を許せない子供を預け、
ますます自分を許せない人間に育てる。
自分を許せない人間たちが、
自分たちどうしを許せない社会を作り、
自分は被害者のつもりで、
えっ?
加害者を捜してまわる。
「あなたは僕の加害者じゃないですか?」
「やっとみつけたわ、あなたわたしの加害者でしょう?」
「おれの加害者になってくれねえか。」
加害者を捜す旅はいつ終わるのか。
火を放つ。
あおうなばら。
複雑な体位で標本されている。
内燃する。
実験は行われるだろう醜いため。
工具によりしめられる生殖器。
充血する油圧機械があおぐろく苦しみだす。
ふう、ふしぎだねふしぎだよにほんはふしぎなくにだね。
濡れた髪の毛のへばりついた頭部を捻りながら、
ゆっくりと人形がうまれ出てくる。
産婦の腹の波打つ息づかい。
木目のような闇の中なのでなにも見ることができないが、
わたしは激しく人形の顔、すなわち眼球を覗き込みたいと欲情している。
あまりにも
人形の頭部の
動きがのろいので
手でつかんでみたい。
まぶたを両手の親指の腹でそっとひらいてみたい。
その中にはきっと蓮の花びらのような瞳が眠っているだろう。
涙とはなにか。
涙は涙以前と涙以後とを決然と塗りわける。
涙の休符が入ることで、
世界の曲調は窯変する。
浜辺に寄せるさざ波。
砂をもてあそぶしぐさ。
それらの光景を美しく染めるのは涙である。
涙とは、なにか。
秒針の音。
生まれようとしている人形は時計だった。
今はいったい何時なのだろう。
痛切にそれが知りたい。
しかし、隔壁されている。
わたしたちに固有の死後生の幻想が与えられていないことがわたしたちの生を戦争化する。
可塑性のある空間を
森の奥でたわめている。
記憶の写り込んだ、
気泡の練り込まれた、加工された自然だ。
なぜ仮象のものなのか。
ここより他の現実があると考えることの中には、
はからずも滅亡が内包されている。
負けないぞ。
やさちいお歌をやさちく歌いたかつたのでつね。
死んだ人の霊が厳かに地下に降りていくのを見まちた。
体が、幾つもの破片に分かれていまちた。
かなちくなりまちた。
(いいや、泣かなくてもよい。
死ぬものはみな何かを整えているのだから悲しまなくともよい
死者はぴかぴかの鏡のようになって帰ってくる。
冬には森の中にじっと大きく立っている。
それはそれは見事なものだ。
だがみんないちように光輝いているのだ。
死は魂を鍛える。
死は魂を鋼のように鍛える。)
死はかなちいだけのものではないのでつね。
(不安がらせ、おそろしがらせるだけのものでもない。)
枯葉を回して遊んでいる精霊がいる。
形を無くした性器がたちすくんでいる。
晩御飯は犬。
犬の全ての毛髪を頬張っている雲。
つややかな眼球の周辺に空腹した、貧血した、雪が積もっている。
戦いのスープに似たものを包もう。
ランダムに乱交を遂げる疑念たちがある。
空白の中の熱。
その周辺を柔らかく速やかに触れてみなさい。
子育てに失敗する家畜。
野生の中でも子育てに失敗。
どこに逃げてみても子育てに失敗する。
逃げなくても子育てに失敗。
なにもしなければよい。
なにも。
うふふ。
賢人化・精霊化・時計化 二十六
及川俊哉
及川 俊哉(おいかわ しゅんや)
1975年岩手県生まれ。現在は福島県在住。
2005年、12月23日、は東京駅「銀の鈴」前で突如として「ウルトラ」2代目編集長に任命され、現在に至る。
2009年 詩集『ハワイアン弁財天』(思潮社)発表。









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