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去年今年

今橋愛

去年今年詩人会エッセイ、さて、なに書こ。思てエッセイに限らず暮らしにおいても最低2年は貧乏ヒーローなろ。決めてたから最初貧乏尽きることなく、そのままそのままを書いた、暮らしを。
誰が読むんやろ。思ってたら身内の歌人読んどって、はじめてお目にかかる方に、突然お金のない話され、あれ?と思えばああエッセイ。また歌人の友、5つも6つも下の友に、やんわりおごられそうなったり、また実際おごられたり。
また友。海苔の缶・紅茶の缶、和菓子。また別の友、パチンコ勝ったからとおごられ、また友、歌会の後ごはんにて
「歌で返してくれたらいいから」
じいんとしたりしたことありました。
なんか。うれしかった。昭和みたいに。
短歌で返す。
そう はっきり返答して、ぐっとくる歌できっちり返したいところではあるけれど。あるけれど。

もうひとつはオーラ?チャクラ?前世?おでこ?そういった類いの事話しかけられ おでこふれられたり問われること増え、もしや?エッセイ?と、このエッセイばかにならない気のした。

貧乏ヒーローあまりに固定すると短歌の友人たちに
「いまはしあい、ろうそく立ててごはん食べてんちゃうか」
みたいになって。
そうなってくると わざと、ろうそく購入したりして花園神社酉の市見せ物小屋、ろうそくをたらす人。話より話っぽくふるまい、ふるまいがほんとうのようになって、変なふうにひっぱられてゆくこと。そういうのいやなんです。ちゃんと食べてます。
こないだ沖縄の友、母ごころ。食べてる?と送ってくれた沖縄名産もずくのお茶漬け。
ありがとう食べてます。めっちゃ食べてます。むしろ‥‥‥食べすぎ。

おもしろおかしく貧乏を切りとり、ひゃくねんに一度とかようわからんキャッチコピーつけられ、その気になってしまいすぎることへの。はあ?全然ちゃうしって乗りきりたかった。
貧乏ヒーロー予想外の支援におののき、年末帰省する前の部屋ほのほのと、もらった紅茶はフォションいいかおり。

また歌人て常 何してるんですか?ていぶかしがられることの。
こないだ歌人には皆パトロンおるのかと昔の芸術サロンみたいな認識され、すっとこどっこい、まちがってるし。
少なくとも88円のキャベツ玉がわたしには世界さ。
ホステスなのか疑惑等浮上。待てや格好よすぎるやろ夜の蝶って。
銀座ホステスさーん、て銀座て行ったことないから ぼく おのぼりさん。はい。死ぬまでにいちど行ってみたい。

おのぼりさんがいいかも。
そうすれば、わたしのからだに ぺたぺた貼り付けられるでせうねえ地名。
詩人会はあと一年?だらだら坂はいやなんです。
帰省した先、忘年会。「あいべ、昔、もっとくねくねしとったで」と言われ ああそれはいつのことなんやろ。戻れぬ。わたし くねくね期もはや思いだされへん、おっさん期。理由。家賃払わなあかんから。くねくねしても家賃払えぬ。くねくねしても何の足しにもならないだろう。くねくねして例えばタイなら餓死してしまふ。
今日現在、全国に一体何万人いるんやろうか、くねくね達。くねくねできるうち たくさんたくさん くねくねしておけ。くねくねの次はおっさん期。おっさん期はおっさん期で、けっこう楽しいのさ。らぶみい。
風なんかがんがん当たれ。師走。花山周子と有楽町。
肩に鳥、カエル、安東さんくらいはのせて歩いてゆけるさ。
もう口ぱく。パックは裏切らない。パックしようさ、パック。と周ちゃんにパック投げつけたりたいわあ天王寺。きゃはは、もうあいちゃーん。ってスローモーションでゆわれたい。せつないね。
パック。パック。「生きる」はこんなとこまで来たか。来たね。そんな感じで せつなくも、まよひつつも。もうしばらくは、かんとう。暮らします。
そしてあきたら帰ります。かんさい?

歌人さま、詩人さま、神さま。去年はめっちゃおもしろかった。
今年もよろしくお願いします。


なんとなく、
今年はよい事あるごとし。
元日の朝、晴れて風無し。
          石川 啄木

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今橋 愛(いまはし あい)
1976年大阪市生まれ。歌人。
2002年、「O脚の膝」100首で北溟短歌賞受賞。
著書に歌集「O脚の膝」。同人誌〔sai〕、snell、未来短歌会に所属。
ホームページhttp://www.aaaperson.jp/

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1 コメント “去年今年”

  1. 石川順一 より:

    「去年今年」のタイトルでかの有名な高浜虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」を思い出しましたが、内容自体は全然関係無いのですね。このエッセイ独特の語り口ですが最後の石川啄木の短歌は私も石川と言う名字なので結構情動を動かされました。以前枡野さんの著作で「石川クン~」があり、俺の事?と思ったら石川啄木の事でした。なのでこう言う事に対しては軽い反発を感じる事がありますが、確かこのサイトでも今橋愛さんのエッセイで石川美南氏が出て来るエッセイがあり、そこでも石川さんとしか出てこ来ないから、え?俺の事とか思ったら石川美南氏の事でした。まあ私は男で中年のおっさんでこのエッセイに出て来る貧乏ヒーローでは無くて唯の貧乏なだけですが、結構今橋、美南グループに入れて貰いたいと思ったぐらいです。軽い反発と共に。でも今日そのエッセイを探したら無いので削除されたのかそれとも私の勘違いで別のサイトのエッセイだったのか記憶が曖昧ですが、まあなんにしろ、投票した以上、このエッセイはプリントアウトもして一生何度も読み返して付き合って行くつもりですよ。

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