! 情熱の虎になりたいので
俺は虎になり吠えている
俺は俺に食われてしまう
血だらけの山道をジャンプする
虎になりてえ
木! 土! 風! 鳥! 石!
ものみな血を飛ばし 血しぶく
血と地のうえ
虎は風を飲み込む
どこかで血が流れているぞ
瀧だ
俺の口の回りは俺の血だ
俺の口の回りは俺の血だ
意味は殺戮されている
血は立ったまま詩になる
俺を食え虎
牙を動かすと血しぶく
口の回りは俺の詩だ
俺に食われる俺
血は詩になる
山は山を食い
雲は言葉を消す
遠くで金星は
緑色に移動
折れた木は食べられてしまった
俺の骨なのさ
魂に赤い地球を与えよ
あざ笑うしげみで 何も考えずに生えている草の葉 生えている草の根 生きている
その先で続いている 続いている 意味は殺戮されている 血は立ったまま山になる
山は空を食い
血が降ってくる
飛行機は哲学的に語られないまま 空を飛べ
蝶は美しい 空の歯牙になって 尖れ 何億もの鹿が駆けてきた 青空は血を吹き
石が形になって転がると水の無い雨だ 花が息を吐き 虹色に怒り狂いながら 山脈の
答になれ
一本の樹木が立ち尽くすのは 無数の傷が癒えたからである 意味は殺戮され
ている 山は立ったまま海になる 食え 牙を動かすと血しぶく 口の回りは俺の血だ
俺は虎になり吠えているが 口の回りは俺の詩だ
山道で赤い砂煙が舞っていた
一本の樹木が立っていたが ある枝は
きしりと折れたばかり
血は立ったまま
森林
詩は兎に乗っている
詩は狸の腹を叩いている
詩はフクロウの巣を壊している
血は虎の口の回りからしたたる 血と地のうえ 虎は雲を飲み込む どこか
で血が流れているぞ 瀧だ
赤いじゃがいもが山を割り
思い切ってジャンプする虎は血
だらけの空で回転して詩は死んで生き返る 駆けろ 山道は赤い砂煙
もくもくとした
意味の中でジャンプする宇宙がある それは思想ではない
俺に食われた
俺の目は厳密に山道を曲がっていった どこまでも続く道
、血みどろの虎の頭の後ろで 道に迷え
鮮やかに笑う山道の
水溜りとは この宇宙のなかで 食われてしまった俺の心のことである
、 食われてしまった虎になり吠えている俺 口の回りは俺の血だ
思い切り
ジャンプした虎は 血だらけの空で回転し詩は死んで生き返り 走る山道で
! ジャンプする世界が
ゴムマリとなっているだけだ ああ 弾んでいた 弾んでいた 山道で
! ジャンプする太平洋が
雨になり一時的に空を垂れ流しただけだ それが 冷たかった 冷たかった 山道で
! ジャンプする詩が
弾まないまま 彼方で愛を語るだけだ それが真っ赤だった いや 黄色だった 山道で
! ジャンプする砂漠が
満月となり輝かないだけだ ああ 眩しかった 眩しかった 山道で
ジャンプする虎
頭がもはや谷
岩肌がもはや光
瀧がごうごうと吠えている
ばらばらに噛み砕かれる無風の叫び
俺は虎になり吠えているが
俺の口の回りは俺の血だ
俺を食う
牙を動かすと血しぶく
口の回りは俺の血
俺に食われる俺
牙をむき出し吠えている
俺の牙は山
俺を食べ尽くし
虎は咆哮する
俺は跡形もなくなり
激しくおし黙り
虎になる
咆哮
和合亮一
和合 亮一(わごう りょういち)
1968年生まれ。
第1詩集「AFTER」で第4回中原中也賞(1999年)、第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞を受賞(2006年)。
読売新聞・日経新聞(夕刊)・ディズニーファミリーサイト等に連載中。









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六本木ではなく
二本松あたりで
会議しましょう?!
吉増剛造さんとは
昔
下北沢の
珈琲美学で
お会いしました・・・・・