三度わたしの生は開かれた
ジェーン・ハーシュフィールド
三度わたしの生は開かれた
一度は、闇と雨のなかへと
一度は、からだのなかにいつもあって、愛を営みはじめるたびに思い出す
もののなかへと
一度は、すべてをつつむ炎のなかへと。
この三つに違いなどなかった。
わたしの言っていることは、わかる人もいればわからない人もいるだろう。
けれども窓の外では一日中、カエデが自らの葉から歩み出ていた まるで冬を愛する女の
ように、色づいた絹布を落としながら。
わたしたちの知っていることに違いなどない。
ドアがある。開く。そして閉じる。だが光のかけらは
とどまる まるで床のうえにとり残された判読できない紙きれのように
あるいは三月になると雪が解き放つ 一枚の赤い葉のように。
(ジェーン・ハーシュフィールドの詩「三度わたしの生は開かれた」(Three Times My Life Has Opened)を拙訳で紹介させていただいた。原詩は、1997年に出版された彼女の第四詩集『こころのうちに生きるものたち』(The Lives of the Heart)所収。七行目のイメージは、『碧巌録』第二十七則「雲門体露金風」を響かせている。――山内記)















