六本木詩人会 六本木詩人会 ホテルアイビス六本木

横断歩道

和合亮一


きみは横断歩道について本当にどう思っているだろうか
どこまで本当に知っているだろうか
私たちは本当に横断歩道を渡っているのだろうか
きみは本当に渡っているのだろうか

足の裏が歩いているのはどこなのだろうか
私たちは何に捕らわれているのだろうか
どんなことを考えあぐねているのだろうか
本当は生まれてくるはずじゃなかったとか

十分に生き抜いているとか
本当の孤独を知らないとか
あなたはこの世界を信じていますか
あなたはあなたの奴隷である

どうして渡らないのですか
どうして渡ったのですか
私たちは横断歩道を全く信じすぎる
私たちは横断歩道を全く信じていない








最新詩集「黄金少年」より



和合 亮一(わごう りょういち)
1968年生まれ。
第1詩集「AFTER」で第4回中原中也賞(1999年)、第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞を受賞(2006年)。
読売新聞・日経新聞(夕刊)・ディズニーファミリーサイト等に連載中。

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