偽振動
水無田気流
移動する文字
わたしの思念
低下する体温にカラマリ
きみの影が明度を高め
ふるるる、と ゆれている
読メル/読メナイ
言葉が―――――
に ハリつく
夜に振動する気配は
ときどき
きみの真似をして
ふるるるる、と 鳴いている
キレイナニセモノ
イヤコレハホンモノ
ホンモノノニセモノ
カカレタモノトイウホンモノノニセモノ
ムカシハ
コンナフウニ
ニセノホンモノガアッタンダネ
膨張していく 偽夜のまんなかで
君の偽影法師だけが
ふるるるるるる、と歌っている
注視シテ
同期シテ
見エル?
見エナイ
ネエ
今日
偽太陽ガふれあヲ起コシタンダ
知ッテル?
知ラナイ―――――――――
そんな会話も
低い偽月のしたで
細い偽雲のあいだ
わたしときみのうえ
偽平線のかなた
ふ、るる、るるるるる、と
ふるるるる、と
初出『現代詩手帖』2009年5月号、連載詩「FULL L(ふるえる)」より









(6 票4.50)





