ぐむこ、ぐむこ。
ぐむこ、ぐむこ。ぐむこ、ぐむこ。
ぐむこ、ぐむこ。
犬のようにかわいい女の子
が這いつくばって床の上のささみチーズ揚げ食べてた
句読点のような雨しぶきのはねる校庭で
這いつくばって食べてた
犬のようにかわいい女の子
君はかわいいから
犬のままでいようね
猿のようにかわいい女の子
が電信柱に縛り付けられて下腹部に落書きされてた
ぐむこぐ、むこ 。
ぐむこぐむ、こぐむ。こ、ぐむこ。
ぐむこぐむこ、 。
二重鉤括弧のようなビル街の路地裏で
縛り付けられて落書きされてた
猿のようにかわいい女の子
君はかわいいから
落書きだけ消してあげようね
馬のようにかわいい女の子
が猛り狂って国会議事堂に殴り込みをかけに行った
合体変形ロボのような国会議事堂は
ほんとに合体変形ロボだったから
馬のようにかわいい女の子
君はかわいいから
君たちの繰り広げる死闘を見ていてあげようね
ぐむこぐむ、こ 。
ぐむこぐむこ、ぐむこ。、ぐむこ。
ぐむこぐむこ 、 。
君たちが何を守ろうとしていたのか知らないけど
君たちが何に怒っていたのか
ぼくは知らないけど
吾妻山は今朝はけむを吹き出している。
この部屋に通うようになって、
吾妻山のけむを眺めるようになった。
貴女が犬の散歩のおりに、
犬のだしたものを適切に片付けるのを見て、
貴女はまちがってきてはいなかったのだと、
今までにさんざん貴女や私をいじめてきた人間たちの方が、
よほど歪んでいたのだとしっかりと信じることができた。
ぐむこぐむこ、 。
ぐむこぐむこぐ、むこ、。ぐむこ。
ぐむこぐむこ 、 。
今どきの人間はみんな社会の中で、
秘かに暴力を隠匿している。
その人々がもともと悪いのか、
社会が悪いのか、私は知らない。
それでもそんな世の中に、
はじき出されてぶらぶらしている人間がいる。
私も貴女も、風に吹かれてぶらぶらと、
吾妻山のけむを眺めている。
悪い血を絞り出すようにして
人間の暴力は絞り出される
なぜ、錆の浮いた貨幣を握りしめなければならないのか。
ぐむこぐむこ 、 。
ぐむこぐむこぐむ、こ、ぐ。むこ。
ぐむこぐむこ 、 。
なぜ、静脈の浮いた善人の両の乳房を握りしめなければならないのか。
なぜ、気のすむまで絶叫してはならないのか。
なぜ、部屋にとじこもって世を恨んでいてはいけないのか。
なぜ、痒みに似た感情で人をもて遊んではいけないのか。
ぐむこぐむこ 、 。
ぐむこぐむこぐむこ、、ぐむ。こ。
ぐむこぐむこ 、 。
なぜ、火のついた棒を他人の団欒の居間に投げこんではいけないのか。
なぜ、ファッションのために身体を毀損させてはいけないのか。
なぜ、ファッションのために精神を毀損させてはいけないのか。
理由を我らに。
理由を我らに。
我らの絶望に見あった理由を我らに。
ぐむこぐむこ 、 。
ぐむこぐむこぐむこ、ぐ、むこ。。
ぐむこぐむこ 、 。
理由を我らに 二十三
及川俊哉
及川 俊哉(おいかわ しゅんや)
1975年岩手県生まれ。現在は福島県在住。
2005年、12月23日、は東京駅「銀の鈴」前で突如として「ウルトラ」2代目編集長に任命され、現在に至る。
2009年 詩集『ハワイアン弁財天』(思潮社)発表。









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