始点
水無田気流
そろそろ神離れが必要です
と 夏休み前
わたされたプリントには
書かれていました
明日からは長いおやすみです
体調をととのえ
しっかり
神離れするよう
おやごさんも注意してあげましょう
きそくただしいしょくじすいみん
ただしいきゅうそく
それらは
きんだいじんにひつような
せいかつしゅうかんです
黄泉から量子宇宙論へ
世界をいろどるふちのあたりで
言葉フルエルフルエルフ、ルエル
私たちは
朝
サイレンを聞きました
それから
歯を磨きました
それから
ラジオ体操に行き
弾倉の補充をうけました
町の第三層は燃えていました
まばたきと確信のあいだ・こんますうびょう
未来が過去にひきのばされる
ひきつがれない記憶のなかで
君がフルエルフルエルフルエル、ル
私たちは
かみさまをまちのぞんだりころしたり
ときにつれなくしたり
とおおさわぎですが
ところで
それはせいきまつてきたいはいのざんしですか(しらない)
もうそんなことをいってもしかたないとおもいます(そうかよ)
だれでもどこにでもいられるし(なにそれ)
だれもどこにもいないし(そうねえ)
だれもがだれかになれるし(うそつけ)
だから(なになに)
だれもだれにもなれないしどこにもいけないのです
(そうかも)
そもそも
お祭りはえいえんに終わっているという
めいだいからうまれた私たちは
どこへいってなにをうたえばいいのでしょうか
だから
そろそろ
神離れが必要なのです
おやごさんは注意して
お子さんを見守りましょう
それから
見知らぬ人にはついていかぬよう
厳重に注意しましょう
世界はふるえているばかりで終わったためしはないので
見知らぬ神にもついていかぬよう
しっかり 注意をいたしましょう
ねんのため―――――――――――
このおしらせは
読まれるたびに消去されるので
しっかり 記憶も消しましょう
初出『現代詩手帖』2009年1月号















