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コンビニ少女

渡辺玄英


きのうから
あしたから
わたしは こわれはじめている
こわれている わたしを
水たまりのなかの 人形のように
見ている
もうひとりのわたし
赤いところが
あぶないところ
雨あがりの青空との 化学反応
雨ぐもは
きのうから来て
あしたへ行きました
ピッ
TVを見ると 天気予報で
南から 台風がやってくる
そっか
天気図は神さまのなわとびですぴょん
あそこで溺れているのは
にせのわたしね
だんまりの画面に讃美歌と台風情報がながれて
礼拝堂にあふれる子羊の記憶
学校から「どこか」への帰りみち
見あげたビルのガラスにかいじゅう雲ながれて
そりゃあ ボクだって
けして ふかまらないからね
いくらでもコピーできるわたしたち
きょうも コンビニに寄って
元気にコピーして帰るもん




初出「九」12号 1998年7月25日

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渡辺 玄英(わたなべ げんえい)
詩集に『海の上のコンビニ』(思潮社)、『火曜日になったら戦争に行く』(同)、『けるけるとケータイが鳴く』(同)など。
現在、「現代詩手帖」誌にて詩誌月評を連載中。

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