円熟
ジェーン・ハーシュフィールド
円熟とは
やすらかに身を離して落ちるもの。
ずっしりしたリンゴ
ナシ
だけでなく 秋にアイリスの球茎から
落ちるかわいた茶色の細葉もまた。
すっかり円熟して
やすらかに
みずからをあなたにゆだね
同じように円熟してやすらかなあなたから
みずからをさずかるこの世界を
あなたのからだが
愛するようにさせてあげることも
また実りの時。
そしてどれほど鋭利な
試練をあなたが受けようとも――
この悲しみ、あの大いなる愛にみまわれようとも――
それもまた 鋭いナイフのうえで葉をのばすことでしょう。
(ジェーン・ハーシュフィールドの詩「円熟」(Ripeness)を拙訳で紹介させていただいた。この作品は、1994年に出版された彼女の第三詩集『十月宮』(The October Palace)に収められている――山内記)















