六本木詩人会 六本木詩人会 ホテルアイビス六本木

ひがさがほしい

今橋 愛

あえなくなる日がきても
しぬるまでそばにおいておかれる

ひがさがほしい

ごめんわたし。きれいになりたい
だれにあやまっているのかわからないけど

ゆりげらー。
言いあいながらランチとる
まんがみたいな女ふたりで

あのおとこのうで
さかなやで買いたいな
だいてかえって へやにおきます

元夫はあまりにさびしいからねこをかおうとして でもやめたっていう

こいにおちたら
目から胞子がつぎつぎとでてくだけ
とめることわからない

永く住まぬ町のスタンプカードはもういらないのです やぶってすてる

からまってくださることの。かなしいね。
ねんねんきれいに剥がれていきたい

ライターをけりながらあるく
わたくしのひだりの膝 今日よくのびている

国分寺で降りてったひとのはいていたスカート赤い。赤すぎて見てた

ひゃくで来てはくれないひとに
ひゃくをみせることはできない

ゆっくりと舟

いつもよりていねいにけしょうすいつけていくとき
わたしひろがっている


           (初出「短歌往来」8月号)



今橋 愛(いまはし あい)
1976年大阪市生まれ。歌人。
2002年、「O脚の膝」100首で北溟短歌賞受賞。
著書に歌集「O脚の膝」。同人誌〔sai〕、snell、未来短歌会に所属。
ホームページhttp://www.aaaperson.jp/

1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (7 票4.86)
Loading ... Loading ...

ぜひコメントを残してください


  • 他のおすすめ


  •  
    六本木詩人会