こんなに朝早くだと
海の音がきこえる
だれもいない街角に立って
コンビニの空をみていた
ふ
透きとおったコンビニで
わたなべがコピーしている
ガコンガコンと
あそこでコピー機がうごいている
いるね (わかるはずないのにね
呼吸について考えてみました (コキュー
ひまわりの畑のひまわりのように
息をしてみたい
ハレてるけど
傘をさしてみようと思いました
ぐっ、と背すじのばして
ぱっ、とひらいて
(ぐっ、ぱっ、
息すると
ほんのすこし (ほんのすこし
わたなべは植物でした
コーゴーセイで歩く
コーゴーセイで考える
ひごろ
わすれているからね ねえ
息するの
ユーレイだからねトーゼン
透きとおったコンビニで
たくさんたくさんわたなべを
きみはコピーしているよね
街なかのビルとビルの間なんかに
かみあわせの悪いところがあるでしょ
わざわざみじかい横断歩道なんかがあって
こんなところにどーして
って思う (思わない?
ここは何かの境界なのね (で?
どっちの世界を選ぼうか?
夢はくずれたからね (くずれたの?
いーよいーよ新しいプラモデル買うから
それと
ひまわりのタネ なーんて
あ
シマウマが倒れている
信号機が点滅している
何かがたくさんたくさん流れていて
とにかくとにかく流れていて
シマウマはひどく苦しそうだった
(ひまわりのタネをあげるから
ね、苦しいですか
(ひまわりのタネ
苦しいですか
ひまわり、ダメですか
吐きそーですか、舌ピリピリしてますか
泡ふいてガコンガコン
瞳孔ひらいてますか
(ひまわりみたい
ガコンガコンガコンガコン
コピーされた たくさんのわたなべ
どーしよーもなく、とーいです、おい
こんなに朝早くだと
海の音がきこえます きがします
しきりに
誰かがわたなべの名を呼んでいますけど
ききおぼえのない名前です
コンビニの中には
くるった
ひまわりが咲きみだれて
初出「九」13号 1998年9月25日
コピープラント
渡辺玄英









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