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「暗喩が上手、暗喩が上手」
つまらない冗談を行分けしたら
ビッグバンだね
さゆりちゃんの銀河に牛乳を垂らして
笑わない岩石の田中の内部に
比喩を過剰に詰め込んで
孤独の結晶を徹底的に破壊する
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星が死滅してゆくことに誰も気付けなくなる時代
太陽はとっくに死んでいる
そして笑っている
月はとっくに死んでいる
そして笑っている
細菌たちの笑いが空気の皮膚を掻きながら
存在のアトピーがイソギンチャクのように燃え上がり
黄色いハリケーンのように舞う
錆びついた嵐
古代の思い出を語る墓掘り猿たちの脳の内部で
シクシク泣く少年は体操座りしながら詩句を唱える
ウイルス呪文
老いた犬の舞踏が
無花果の幽霊のように
シワクチャの存在を
世界のスクリーンに映し出す
世界は星の悲しみを抱え過ぎることで
青白く収縮し
破裂を何度も繰り返す運動によって
女のしっぽは性器よりも燃え上がり
ウサギは崖から逃げ場のないジャンプをする
虹色のクラゲが火炎瓶を咥えて
戦闘機にぶつかっては騒ぐ
充ち足りないものが置き去りにされて
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光と闇を奪った泥棒の日記を
眼をつぶされた老いた舞踏家が持っている場所に
黄色いバスがスピードを上げて衝突し
血まみれの脳みそたちの性交が
不潔で野蛮な音楽よりも巨大な尻を
無実を主張する青空に創造する
「そもそも卵なんてものはこの世界には存在しないのだ」
腐った水を飲んだ時の不快感で成立する水族館で
家族写真を撮影してみる勇気
「資本」という稚魚を
水のない海へと
すなわち砂漠へ泳がせ
「暴力」の帝国を建立しようとする
猿の栄光を輝かせた
集中爆撃で逃げ回る影たちを狙い打つ光たちは
戦闘機の内部で「いつもこういうことさ」と呟いて
観覧車に初めて恋人と乗ったことを思い出し
焼き尽くすことで創造をしようと破壊に集中し
木端微塵のスカートから首だけになった少女を見ている
涙という甘さと嘘の水槽の中で
無知なクラゲを演じる行為によって永久死刑を受けて
喫茶店でアイスコーヒーをゆっくりといただく
「置き去り」という言葉だけで
生き物の距離は
星と星のそれよりもはるかに遠ざかり
裏切りを仮構してゆく集団を「国家に忠実な民」として
ルールを膣のかたちをした砂糖菓子のように舐める牛たちを
氷の刃で切り裂く悲しみが雪に込められていた
そして墓がある
墓掘りの猿たちがシャベルを持って
帝国の向こう側へと進もうとしている
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皇帝の猿が理由もなく奴隷の猿を殺したことによって
猿というものは決して「平等」ではないということが
公衆の前に明らかに告示された
それは詩というものが
生き物の核に
どうしても成立しなければならないことを同時に明かした
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黒い煙が様々な「家」から昇っていた
放火魔の笑いがコンビニで聞こえたので
馬たちは「時間」という名の飲料水を
誇らしげに飲めたのだ
背後に全てが隠されている予感を
「存在の母」という占い師から受け取る
出さずにしまっておいた古い手紙をちり紙交換に出して
「感情」という装置を徹底的に破壊せよ
ロバがくしゃみする病室で起こるサーカスの奇跡
重力の子供たちが積み木をするのを
棒を呑み込みながら見つめる父と
脳を切り刻みながら泣きわめく母の
影とは映画の充分な要素であろう
車輪の格好をした祖先
「星屑拾い」という職業が差別の対象となって
大量殺戮の行われた洞窟で「王様、王様」とだけ呟く老いた者たち
読書をしたいのだろう
残骸詩篇
松本秀文
松本 秀文(まつもと ひでふみ)
1979年 12月20日生まれ。いて座。A型。福岡在住。
既刊詩集に『鶴町』、『白紙の街の歌』(ともに思潮社)などがある。
詩の朗読でも地味に活躍中。詩誌「ウルトラ」同人。
ブログ「sokudotaroの日記」時々更新中。http://d.hatena.ne.jp/sokudotaro/















