《予報》
昨日〝核〟を破水した
血と羊液でまみれた
核兵器の口に
炎の臍の緒を捻じ込んだまま
ところが
破水中
なかば
誤爆してしまって
性器から壮絶に噴出しつづける中性子
産道へ〈強い光〉は逆流し
原子核融合の
〝無〟
が生まれた
光度マイナス27等で光る子宮に
表面温度六千度の〝無〟が沈黙する
《当日》
世界は雨期に入った
定価すらつけられない父へ
堕胎児の冷凍庫へ
空を失ったサラリーマンへ
乾燥した希望へ
「女」へ
命になった老人たちへ
中性子は
〈曲がった鉄砲玉〉のように降り続けた
(『ウルトラ』13号掲載「詩劇・虚空伝」より)
雨期へ
川島清
川島 清(かわしま きよし)
2003年、詩編「受胎調節の横木」を思潮社より発刊。同年、詩人100人に選ばれる。
和合亮一氏と知己を得て、「ウルトラ」に参加。「ウルトラ」同人となる。
2004年まで群馬を拠点に予備校講師・短大講師を兼務。
2005年より四ッ谷学院・青文塾に絞り、主に東京にて勤務。
著作には他に、大学受験参考書「ルネッサンス現代文」、絵本「みつばち」がある。
明年、次詩編発刊の予定。















