六本木詩人会 六本木詩人会 ホテルアイビス六本木

クジャクな夜

渡辺玄英

いくところないから
コンビニに行ってきました
ほしいものないから
孔雀をほおばってみました
つめたい夜空でした
(きれた電池はどうしようか? きれた電池は?

扁平な夜に
電池きれてますぼくらわたしら
黄色いからだをヘンペーにして
それは『骨太牛乳』1パックの重みにも勝てないけれど
(水より薄い牛乳より薄いくせに
そこから孔雀までの道のりはとおい
とにかく
襲われているのでしたが
だれがいつどこから襲ってくるんだか
なにがいつどこからなにをどのように襲ってくるんだか
ちょっとクドいが
だれも知らないから知っているのはだれですか?
逃げるにしたって電池きれてますから
そりゃあ無惨ですわ

だから孔雀たべちゃおうかな
逃げられないから
でも、いったい何から逃げちゃいけないんだ
みんないっしょ、で
もう、からだなんて記憶の一部になっちゃいました

キリキリ空気でもデモ孔雀で
なんとかならないか
なんとかならないのか孔雀で
孔雀をほおばってみます
みました
だめか孔雀





初出「九」7号、1997.9.25


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渡辺 玄英(わたなべ げんえい)
詩集に『海の上のコンビニ』(思潮社)、『火曜日になったら戦争に行く』(同)、『けるけるとケータイが鳴く』(同)など。
現在、「現代詩手帖」誌にて詩誌月評を連載中。

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