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二人が愛の言葉しか

竹浪明

二人が愛の言葉しか語らなくなってから
雨はオリーヴ色に輝き
カタツムリの曳く虹の航跡から宝石がこぼれ
ベッドは花園に沈み
朝陽と露が数え切れない口づけを交わす。
箪笥の中に甘いそよ風が舞い
街は旅の羅針盤となり
見知らぬ家族が馬車から手を振り
時計の針をブランコにして未来の天使が遊ぶ
二人が愛の言葉しか語らなくなってから。

窓の外で鴉が鳴かずに欠伸した。

二人がもう愛の言葉を語らなくなってから
南の島に雹が降り
青の洞窟が真っ赤な唐辛子に埋もれ
ヨットの帆は鴎の糞にまみれ
網には腐った果実ばかり掛かる。
卵を振れば硬貨が鳴り
どんな占いも保険が足りないと告げ
標識はおどけて舌を出し
クルマは錨を引き摺り決して怒りを追い越せない
二人がもう愛の言葉を語らなくなってから。

屋根の上で鴉が鶏の鳴き真似をした。

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竹浪 明 (たけなみ あきら)
http://takenamiakira.jp
映像作家・文筆家・東京造形大学映画専攻非常勤講師。
「蘭賞」(俳句)、「平間至写真賞優秀賞」「文芸社ビジュアルアート社長賞」他受賞。
俳句×写真集『恐竜×ヴィーナス=17文字』(文芸社)、 写真集『象と大樹と子供たち』(角川学芸出版・収録写真によるTシャツが「赤十字グッズ」に)他。
監督映画『のら暦*ねこ休みネコ遊ビ*』(UPLINK)他。

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1 コメント “二人が愛の言葉しか”

  1. queen-rumi より:

    これって、凄いです!

    プラスの波動が、共鳴したときには1+1=2がそれ以上のパワーを生み出す。
    まさに、プラスの「愛の言葉」が醸しだす偉大さだと思います。

    「愛の言葉」の世界には、憎しみも争いもない。
    心安らぐ穏やかな空間。


    すべてが、愛で始まる。


    マイナス同士が共鳴・・・
    こんな世界になってしまうのですね・・・


    現在の、自分を見つめ直すいい機会となりました。
    いつも「ありがとう」と「感謝」の心を忘れずに
    「愛の言葉」で過ごしたい。
    心からそう思える詩です。

    すべての人が、幸せでありますように・・・

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